相続について相談するタイミング
1 生前の相続対策の場合
相続対策を検討しようと思ったら、今すぐにでも相談に行きましょう。
⑴ 遺言の作成
遺言は、遺言能力がある方でなければ作成することができません。
例えば、認知症の症状やその疑いがあり、医師の診断書などが作成されていると、遺言能力がないものとみなされてしまい、遺言書を作っても後から無効であると覆される可能性がでてきます。
ですので、若くて判断能力がしっかりしているうちに遺言書を作成すべきです。
⑵ 生前贈与
相続税対策の典型例の一つが、生前贈与です。
これは、贈与税は毎年110万円までであれば基礎控除以下であるから税金がかからないということと組み合わせて行うものとなります。
贈与税を支払うのであれば、それ以上の額を贈与して相続税対策を行っても構いませんが、110万円以下にしておきたいのであれば、時間をかけて財産を家族に移動させる必要があります。
そうなると、贈与に着手するタイミングは早ければ早いほどよいといえますので、速やかに相談に行かれることをお勧めします。
2 亡くなった後のご相談の場合
この場合も相続発生後、できるだけすぐに相談に行きましょう。
相続手続きの中には、期限があるものも多いためです。
⑴ 相続税の手続について
相続税の手続は、基本的に税理士が行います。
期限は、相続税の申告は、亡くなった日の翌日から10か月以内に行う必要があります。
それまでに、亡くなった方が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍などを全てそろえ、亡くなった方の財産をすべて探して目録を作成する必要があります。
そのうえで、遺産分割協議書を作成する必要があります。
相続人間で、もめていなければ、話し合って決めた内容を書面にするだけですが、相続人間で取り分がもめているようであれば、弁護士しか間に入って交渉等を行い、遺産分割協議をまとめることはできません。
相続税の申告期限までに遺産分割協議がまとまらなければ、一度、法定相続分で分けたものと仮定して申告・納付までしなければならなくなるため、一旦、高い相続税を支払わなければならなくなります。
そのため、亡くなった後、速やかに相談し、遺産分割をまとめる必要があります。
⑵ 遺留分侵害額請求について
亡くなった方が遺言書を作成している場合、自らの遺留分が侵害されている可能性があります。
その場合は、基本的には1年以内に遺留分侵害額請求をしなければなりません。
そのため、速やかに相談に行き、対策を相談しましょう。